大阪のパチスロ屋でバイトしてた頃、出勤途中のアーケード内に和菓子屋があって、その店先できんつばを焼いていた。四角いアンコを縦に横に転がして焼く様子はなかなかに美味そうで、でもボチボチ高そうな空気ある(1個で買えるとは思えなかった)のと、あと19,20そこらの男は和菓子屋できんつばを買って食べたりしないということもあり、横目で見ては通り過ぎ、いつかきんつばを好きな時に食べられるくらいにはなりたいなと思いつつも、そこのバイトを辞めてからはそんな事はすっかり忘れていた。
あれから30年近く経って、そこのお店はなかなか名店だったらしく新大阪駅のお土産コーナーで買えることを知ってからは必ず買うようになり、そこのではなくてもきんつばをお店で見かけたらちょくちょく買う。
何をしたら良いか全く分からず人生で一番苦しんだ数年だったけど、そして別に今も何かができるようになったわけではないけど、色んな人のおかげもあって少なくともきんつばは好きな時に食べられるようになったよと、タイムマシンがあったらその頃に戻って俺に伝えてあげたい。